結婚 夫婦の愛情
愛情のエチケットは?

△愛情過剰におちいらないこと
夕方になれば、イソイソと夫の好物の支度
にかかる。ところが、料理がさめても、夫は
帰ってこない。そのうち雨が降りだす。「か
ぜをひかせては大変!」駅に迎えに行く。待
つこと、ついに二時間。やっと改札口に夫の
姿が見える。
「まあ、こんなにおそくまで」「なんだ、雨宿
りしていたんだ」
「今年は、私のスーツをあと回しにして、夫
の洋服を新調しなくては」「くつも替えてあげ
なくては」と夫の身のまわりのことで頭はい
っぱい。電車に乗って若い男性を見ても「あ
あいうネクタイ、うちの人に似合うかしら」

こういう夫思いの妻をもった
ら、、世界一の幸福者と感謝しなく
てはいけません。しかし、妻の愛
情過剰に応じきれず、いささかタ
ジタジの態なのです。これが高じ
ると、少しほうっておいてもらい
たいという心理にもなるのです。


△聞き上手になること

「電気代ね、先月の倍近くよ。ストーブやめ
て、やはりこたつにしましょうか」「あなたの
シャツ買ったわ。安かったのよ。いくらだと
思う。あててごらんなさい」「お隣りの奥さん
てばね……」エトセトラ。しまいには、しば
しば\"ぐち\"になり、聞かされるほうは、ウン
ザリします。しかし一日じゅう家にいる奥様
は、井戸端会議でもしないがぎり、帰っ
て来た夫をつかまえて、その日の出来
事をあれこれしゃべりたくなる
のはもっともです。

では話題を豊富にして、
政治や経済を論じ、芸
術を談じ合ったらい
いのでしょうか。
そうではありま
せん。


ほんとうに会話の巧みな奥さまは、話しじ
ょうずであるよりも聞きじょうずです。「き
ょう、会社でね、ボクが日ごろの意見を述べ
たら、みんな感心して、結局、その案にきま
ったんだ」などと、夫は妻に自慢したがるも
の。少しオーバーだわと思っても、相づちを
打って、適当におだてながら、耳を傾けてあ
ずましょう。
`
△型にはめないこと

夫が帰宅すると、まるでベルト・
コンベヤーに載せたようにとり運
ぼうとする方はいませんか。「お
帰りなさい。さあ、あなた、早く
着替えてちょうだい。ズボンから
ハンカチを出して、洋服掛けにか
けて」「ご飯ですよ。新聞はあとに
して、食べてね。あとが片づきま
せんから」「おふろがわきましたか
ら、すぐ入ってちょうだい。さめ
てしまいますから」「もうラジオと
めて、寝たらいかが、あす早いん
ですよ」
こう時間ぎめでテキパキやられ
ると、夫は何だか、こわい舎監の
先生に監督されて寮生活をしてい
るような気になります。夫は、家
にいるときだけは、のんびりと気
ままにしたいのです。
翌朝、起きるのが一苦労とわか
っていても、スリラー小説を読み
ふけりたい夜もあるわけ。夫の健
康を案じるので、「もう、おやすみ
なさい」と言うのでしょうが、夫
のため、家事のためと思いながら、

実は、夫を自分の理想の型どおり
に仕立てようとしている場合もな
いとはいえません。
自分がきちょうめんなのは結構
ですが、それを夫に強制しないこ
とです。
日曜日なんか、「棚をつってやるぞ」とノコ
ギリでゴリゴリやっているうちに、「友だちが
誘いに来て、マージャンに出かけてしまい、

あとは散らかしっぱなし。大きな子どものお
hかと思えば、力弘ベンしてあげられるでし
ょう。


△夫をあやすこと

外ではいつもニコニコと愛想がよく、
会社の同僚に冗談をいったりする人が、
家に帰るとブスッとしてい・る。あるいは
よそでは腰が低くて親切だといわれる人
が、家にいるといばってばかりいる。
奥さんがいろいろ話しかけても、ろく
に返事もしない夫。たまに何かいうとき
は、用をいいつけるか、文句をいうとき
だけ。こういう夫は、もちろん、家庭で
の態度を少し反省する必要があります。
しかし、これをもって「愛がさめた証
拠だ」と受けとるのは早合点すぎます。
むしろ、こういう夫は、妻に甘えている
のです。「家に帰ってくれば、つまらな
そうな顔ばかりして。そんなに家がいや
になったの!」とんでもない。夫にして
みれば、家にいるときだけが、ポーズ抜
きでくつろぎたいのが偽らぬ本心です。
せいぜい赤ん坊のようにあやしてあげて
も軽やかに帰宅すること請け合いです。